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特集  2017.02.24

【メーカー特別レポ】『 Dollshe Craft 』に聞きました!

【 ドールを作っているのはどんな人?どんな場所?!そんなギモンにお答えします! 】

リアルで生きた人間のような表情を持つドールを製作する『 Dollshe Craft 』。

映画のワンシーンから飛び出したような、ドラマティックな物語性の高いドール達を作り続ける
Dollshe Craftの造形師であるキム・キヨン氏に、今後の展開や制作事情について答えて頂きました!

Dollshe Craft 代表、キム・キヨン氏(聞き手:DOLK スタッフ)

■DOLKスタッフ(以下D):Dollshe Craftの設立されたのはいつ頃なのでしょうか?
また、設立当時は何名で運営を始められましたか?


■Dollshe Craft:”Dollshe Craft"は2003年4月5日に設立しました。その4月に誕生した「お嬢さん」を意味する「アガシ エイプリル」の販売を皮切りに、ブランドとしてスタートしました。
設立当時は原型師であるドールシー・キヨン一人で小さなアトリエを持っているだけだったんです。

当時はまだ大学生だったため、平日には学校に通い、週末に注文が入ったドールの制作をしていました。そんな中で、徐々にドールシークラフトのお客様が増え、作業室も広くなっていきました。

■D:Dollshe Craftの由来は何ですか?


■Dollshe Craft:Dollshe Craftは「Doll」と「She」の合成語です。ドールは主に女性の方が好むと思い単純に二つの単語をくっ付けたら「Dollshe(ドールシー)」の語感が気に入り、メーカー名として採用しました。

その後、2005年度にDollsheの後ろに「手工芸品」を意味する「クラフト」を付けることになりました。理由としてはブランド名の刻印として、それが相応しく感じたからです。

■D:現在の各担当者(原型師、メイクアティースト、企画等)のお名前を教えて頂けますでしょうか。


■Dollshe Craft:原型師は私一人です。「ドールシー」と言うニックネームで知られていますが、本名は「キム・キヨン」と申します。ドールの企画も今まで一人でやってきました。
家族や友達にも意見を聞いておりますが、ドールは完成した状態を見せるまでに、なかなか想像しづらいものです。多彩でありながらも魅力ある、完成度の高いドールを製作しようと日々努力しています。

商品ページに掲載されるメイクは、カルフォルニアで活躍するSDinkさんにほとんどメイクアップしてもらっているんです。
彼女は僕のドールをいつも、魅力的に輝かせてくれます。

現在はSartoriaJで活躍するメイクアップアーティストが、お客様の注文に応じてメイクを担当しています。
Sartiria Jに施してもらった多くのメイクの全てを披露しきれていませんが、彼女たちは凄腕の実力者です。
今後、コラボレーションを通じて素敵なアートワークを披露する予定です。

■D:球体関節人形を知ったきっかけは何ですか?原型を専門的に勉強された経験はあるのでしょうか?


■Dollshe Craft:私は元々ユーロミリテール(歴史上の人物などを展示するイベント)に参加する目標を持って、歴史上の偉人などの立体物を制作していました。その中でもインディアンや韓国将軍を主に制作したんです。
しかし、色々な事情でユーロミリテールには参加出来ず、習作だけを制作する日々が続いていました。

ある日、偶然ウェブサイトで無表情の球体関節人形を見かける事があったんです。
正確には覚えていませんが、ある日本作家の作品でした。当時、父親の事業がうまく行かず、家庭内の状況も良いとは言えない状態で、週末には壁絵のバイトとアトリエで教師をしながら学費を稼いでいました。

友人と時間を持ったり恋愛をする時間も有りませんでした。生活に疲れ、もう笑う事も無かった僕はふと無表情の球体関節人形を思いだし、習作を作り「ビスクの森」と言う球体関節人形のコミュニティに画像をアップしました。

次の日、多数のメールが来ており確認したらドールを購入したいとの内容でした。初注文を受け、本格的にドールを製作する事になりました。

ちなみに、私は芸術高校と美大を卒業しました。

■D:ドールを製作する過程で難しい点と重要な点を教えて下さい。


■Dollshe Craft:ドールを製作する時に一番難しいのは製作にとても時間が掛かる事です。
頭の中では既に完成されていても、複製が可能な状態まで完成度を引き上げるのはとても難しいです。

事業が大きくなるたびに、お客様が好む造形でも個性を失わないドールを製作する事を心がけていますが、そのバランスを取り続ける事は非常に難しいです。

ドール製作時に重要だと思う点は『ドールの印象』です。そして、完成度は"おまけ"のようなものですね。

■D:新作ドールを製作時、どのようにインスピレーションを受けますか?


■Dollshe Craft:色んなものからインスピレーションを受けます。
街中で通り過ぎるときに目を引く人や、映画の登場人物、アニメーションを見て、なぜ彼らが魅力的に見えるのか考え、自分の造形の中に落とし込んでいます。

■D:特に愛着が湧くドールや人気なドールは何ですか?


■Dollshe Craft:特に愛着が湧くドールは「ベルマン」です。
今のDollshe Craftのイメージを形作るきっかけになったドールだと言っても過言ではありません。
そして、同時に初期のお客様には申し訳ない気持ちになってしまうドールでもあります。
実は数日前、ベルマンを新しく製作して再度受注したからです。

■D:これからの展開や目標が有りますか?


■Dollshe Craft:特別な目標は有りません。
ドールを製作する際のモチベーションとしては一つ一つ丁寧に製作し、完成させる事です。
私は15年間ドールを製作してきました。今後も多数の魅力的なドールを製作したいと思います。

そして、ドールで良い事をできる機会が有りそうなんです。時が来れば分かると思います。

■D:最後に日本のファンの皆さんへメッセージをお願いします!


■Dollshe Craft:私は日本が好きです。
特に日本のアニメーションが大好きで、宮崎 駿 監督のファンであり、最近は 新海誠 監督のアニメーションもお気に入りです。
これからもDollshe Craftのドールに、たくさんの関心を持って頂けるようお願いします。

日本のドールファンの皆さん、いつもありがとうございます。

■D:貴重なお話をたくさん聞かせて頂き、本当に有難うございます!
キム・キヨンさんの人生と「Dollshe Craft」というドールメーカーの軌跡を垣間見ることができる、素晴らしい回答に心より感謝しています。

また、今後「ドールで良い事ができる機会」があるとの事、どんな出来事が待っているのか、そして今後の新作もとても楽しみに待っています!